海外文学には、ましてや古典文学には、古い言葉で、さらにそれが日本語に訳されてるというハードルもあって、ほとんど触れてこなかった。だから名前やタイトル、あらすじまで知っているシェイクスピアの有名な作品でさえ、読んだことがなかったのだけれど、コペンハーゲンの観光地を調べていたらハムレットの舞台になったクロンボー城が出てきて、行くならば、と思って読むことにしたの。そんなきっかけで読んだシェイクスピアのハムレットと実際に行ったクロンボー城についてのお話。
シェイクスピアを読むと決めて、Amazonプライムに入っているおかげでkindleで無料で読めることがわかったのだけれど、やっぱりデジタルで読むのは苦手だから、文庫本を買うことにしたの。アマゾンで調べたら、それはもう何種類も色んな人が訳したハムレットが出てきて、どれを買うかっていうところから始まった。家族はすごく本を沢山読むから、聞いて見たけれど、特にこれ!っていうのは分からなくて。私にとって古い英語からさらに訳された日本語っていうのがすごくハードルだったから、とにかく新しいものにしようと思ったんだ。古い英語が古い日本語(古いと言っても限度があるし理解できない日本語なわけはないと思うんだけど)に訳されてても、読みにくそうだな〜と思ったからとにかく新しくて読みやすそうなものを選んだ。それ、が河合祥一郎訳「新訳 ハムレット」。同じくらい評価の高いハムレットは他にもあったんだけど、これはすごく新しかったし、そしてなんとなく私、角川書店が好きなの。特に理由はないんだけど、イメージでね。後もう一つこのハムレットを選んだ理由が本の表紙のイラスト。金子國義さんという画家が描いているんだけど。この絵をすごく気に入ってこれにした。
余談だけど、本の表紙ってすごく大事だと思っていて。古典文学とか、手をつけづらい本には特に。古典文学とか名著とか、もうそれだけで難解そうで手をつけられないのに、さらに表紙まで古っぽいと、本が大好きな読書家みたいな人にとってはそんなこと関係ないかもしれないけど、私みたいに本はそこそこ〜ってくらいの人にとってはなんとなく辛いところがある。角川が人気てぬぐい専門店とコラボして出した本のブックカバーがあるんだけど、「こゝろ」とか「檸檬」とか、教科書に載るような、だけど普通に読むにはそれなりに難しいような本のカバーをすごくおしゃれにして出していて、これはいいな!ってすごく思った。他にもアニメっぽいキャラクターとのコラボカバーとかもあるみたいだけど、ハムレットも含め、角川のしているそうゆうところとかがなんとなく好き〜になっているのかも。
ハムレットに戻ると。話の中にお城の描写はあまり出てこないんだけど、クロンボー城では夏にはお城の所々でハムレットのシーンが演者さんによって再現されていたりするんらしい。私が行った時は冬だったこともあって観光客も少ないから、やっていなかったんだけど。それが見れたらすごくハムレットの世界に浸れていいんだろうな〜。
お城はというと、王様や王妃が使っていた部屋などが見れるんだけど、the connon towerという塔の145段の階段を登ると、海や街が一望できる景色が見れるの。海の近くだからか風も強くてすごく寒かったし、階段も辛かったけど登ってよかった!ハムレットは目の前の海から船に乗ってイングランドに行ったのか〜とか考える(笑)
ハムレットの本を読んでいて、半分くらい読んだところで復讐する話なのに、全然復讐始まってないのに半分来ちゃったよ?って感じで、どうなるの〜って思っていたら後半の展開がすごく早かったの。早かったというかネタバレになってしまうかもしれないけど、計画的に復讐できたわけではないから、復讐自体はあっさり終わる。復讐心に燃えているところから復讐するシーンまで割とすっ飛んでしまうからかな。だから私の中ではすごく展開が早すぎるお話に感じたんだけど。展開は早いのに薄っぺらいストーリー性で盛り上げたお話っていう感じはしなくて。ハムレットの復讐心とか辛さみたいな感情は前半のセリフからすごく伝わってくるから、スピーディーな展開とは裏腹にハムレットの復讐心はすごく心に残る。今考えると、そのギャップがいいのかもしれないな〜。細かくハムレットの復讐心を描いて、さらに細かく復讐までの道のりを描くと少し疲れる気もする(笑)これだけの復讐心がこんなにもあっさり、悲劇として終わってしまうっていうのがいいのか、と今思う。
実は映画化されたハムレット(1991)もAmazonプライムにあったから観たんだけど、やっぱり映画は劇とは違うから独り言みたいに話すセリフが不自然だったなあ(笑)ハムレットの劇観たことあるわけじゃないけど、ミュージカル映画っぽさがある。元の設定と少し違うところもあったけど、本ではちゃんと理解できていなかったところも結構あったから観てよかった。本といっても戯曲を本にしたもので全部セリフになっているから、正直理解するのは難しかった。セリフがない人も含め、その場面に誰がいるかとか、どんな風に立っているかとか、そうゆう情報がないから、場面を想像するのがすごく難しい。注とかに誰が何しているとか、書いてあったりするけど、それを全部読んでいるとセリフの流れが悪くなるし、リズミカルに進まないから嫌だしね。そうなるとやっぱり劇が観たい!
何にせよ、ハムレット自体はすごく引き込まれる作品だった。正直ここまで自分にインパクトを与える作品とは予想もしていなかったから、すごくびっくりだけど、広く知られているだけあるんだな、って思った。シェイクスピアの他の作品も読んでみたいし、そしていつか劇も絶対に観たいな!